口ゴボとは?なってしまう原因と治し方を紹介

口ボゴを治すとコンプレックスが解消され、容姿に自信が持てるようになります。この記事では、口ゴボの矯正を始める前に知っておくべきことをまとめています。人前で思い切り笑えるようになりたい、輝く笑顔で相手に好印象を与えたいという方におすすめです。

    【監修】

  • 歯科医院名:緑のテラス歯科クリニック
  • 歯科医師名:院長 丸山啓介先生
  • サイトURL:https://midori-terrace.com/

口ゴボを治すと笑顔が増えるだけでなく、性格や雰囲気まで明るくなります。コンプレックスをなくし、自分史上1番きれいな笑顔を手に入れましょう。

この記事では、口ゴボの特徴やその原因、治療法を紹介しています。治療法の項目では、治療期間・費用・続けやすさ・装置の目立ちやすさ・歯の痛みを重点的に解説しています。

それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較しながら、本当に自分に合った治療法が選べます。口ゴボに関する正しい知識を身につけて、憧れの笑顔美人になりましょう。

口ゴボとは?

口ゴボとは、口元が前に突き出している状態のことです。一般的には、口元の美しさをEラインにより判断しています。

Eラインとは、横から見た際に鼻先と下顎の先端を結ぶ線のことです。Eラインの線上や少し内側に、上唇や下唇があることが理想のフェイスラインと考えられています。

口ゴボは歯が前に出ることにより、口元が盛り上がっている状態です。上唇や下唇がEラインよりも外に大きくはみ出しており、横から見ると唇と鼻が同じくらい前に突き出ています。

口ゴボで困ること

口ゴボは、歯並びの悪さが原因で容姿が変化した状態です。病気ではありませんが、見た目が変わり、歯並びが悪くなることにより日常生活で困ることも出てきます。以下で口コボにより困ることについて紹介します。

見た目のコンプレックス

口元が前に突き出ているため、外見にコンプレックスを抱えている方が多く見られます。笑った際に出っ歯が気になり、人前では口元を手で隠す、笑うことを控えるなどの行動を取ってしまう方も多いです。

また、精神的ストレスを感じてしまう方も少なくありません。幼少期に周りからからかわれたことで、口元への視線が気になり、人前でうまく笑えなくなることがあります。

笑顔が少なくなると表情が暗くなり、相手に与える印象も悪くなりかねません。とくに、接客する仕事に就いている場合は、不安や恥じらいを持ってコミュニケーションを取ることにより、顧客満足度の低下を招いてしまう可能性が考えられます。

心からの笑顔を見せられることは、相手の印象を上げられるだけでなく、信頼性を高めることにつながります。口ゴボを治して笑顔が増えることで、双方がリラックスした時間を過ごせるようになるでしょう。

さまざまな不調の原因になる

口ゴボになると、見た目にコンプレックスを感じるだけではなく、さまざまな不調の原因にもなります。口ゴボは、歯のかみ合わせが悪い状態です。口の動きが悪くなるため、食べ物をうまく咀嚼できず、発音にも影響が出る場合もあります。

また、虫歯や歯周病のリスクも高くなります。単純に歯が凸凹しているため、歯磨きがしづらく、汚れが落ちにくいことで歯石がたまってしまうためです。唾液の分泌量が低下して口が乾きやすくなることも、虫歯や歯周病の進行を進めてしまう原因です。

唾液は口の中で非常に重要な役割を果たしており、唾液には口の中のウイルスや細菌を洗い流す抗菌作用があります。唾液の分泌量が少ないと、食べかすや細菌を洗い流せなくなり、虫歯や歯周病が発生しやすくなるのです。

また、口ゴボが影響を与えるのは口腔内だけではありません。口ゴボになると唇が閉じにくくなるため、口呼吸が多くなる方も見られます。口呼吸が続くと外気が取り込まれやすくなるため、粘膜が乾きやすい状態になります。

のどが乾燥してしまうと、有害物質の侵入を防ぐ粘膜の防御機能が低下してしまいます。体内にウイルスや細菌の侵入を許してしまい、風邪を引きやすくなるのです。身体がだるい、喉が痛いのは口ゴボが原因の可能性もあります。

口ゴボになる原因

口ゴボは、歯が前に突き出した状態です。歯の前突には、出っ歯といわれる上顎前突(じょうがくぜんとつ)、下あごが出る下顎前突(かがくぜんとつ)、上と下の歯が同時に前に出る上下顎前突(じょうげがくぜんとつ)の3つがあります。このうち、口ゴボになる可能性が高いものが、上顎前突と上下顎前突です。

それぞれ先天的・後天的な要因で歯の前突が起こります。

先天的な要因

口ゴボの原因のひとつは遺伝です。親から遺伝するものは身長や顔つき、運動能力だけではなく、歯並びも遺伝します。歯並びは、遺伝によるものが80%、後天的な要因が20%といわれています。

歯並びの悪さは遺伝するため、親が口ゴボの場合は子どもも口ゴボになる可能性があります。とくに歯の大きさや質、顎の形や大きさが遺伝しやすいです。

また、顎と骨の大きさが遺伝しなくても、唇や口元の部分が遺伝して口ゴボになるケースもあります。遺伝が原因による口ゴボは、歯並びを治しても改善しないことがあり、顎の骨を削る外科手術が必要となる可能性もあります。

後天的な要因

後天的要因でなる口ゴボは、日常生活の癖が原因のものが多いです。とくに、前歯に力をかける癖があると歯が前に傾くため、口ゴボになる可能性が高くなります。たとえば舌で前歯を押す、爪をかむ、下唇をかむなどの癖です。

また、口呼吸が多い方は口ゴボになりやすいので注意しましょう。口呼吸が習慣化されると、口内の舌の位置が下がってしまい、歯並びが乱れるからです。

通常は舌の位置は上顎の前歯の裏側にありますが、口呼吸が続くと舌の筋肉である舌筋が弱まり、正しい位置に戻すことが難しくなります。舌筋の筋力の低下は、唇を閉じる筋肉である口輪筋(こうりんきん)の低下にもつながります。口が閉じられなくなり、口呼吸が治らないという悪循環を生み出してしまうのです。

幼いころの習慣により、口ゴボになるケースもあります。たとえばおしゃぶりや指しゃぶりなどです。おしゃぶりや指しゃぶりは、赤ちゃんのうちは誰でも自然に行うため、1〜2歳までの小さいうちは問題ありません。

しかし、3歳以降も続けていると口ゴボを引き起こすことがあります。おもちゃや指をかむ際に、前歯に強い力がかかっているためです。そのため、歯並びに影響を与える乳歯が生え変わる時期まで、おしゃぶりや指しゃぶりを続けてしまうと、顎や歯の発達を阻害してしまう可能性があります。

口ゴボの治し方とは?

口ゴボは、正しい治療法を選択し、適切に治療を続けていれば治るものです。以下で、先天的・後天的の要因別口ゴボの治し方を紹介します。

口ゴボは自分で治せる?

インターネットやSNSなどでは、自力で口ゴボを治す方法を紹介していることもあり、自分で治せるのか興味のある方も多いでしょう。口ゴボをセルフケアで治せたら、治療費用はかからないため、メリットが大きいです。

しかし、残念ながら自力で口ゴボを治すのはほぼ不可能です。ネットで書かれているようなセルフケアを試しても、むくみが取れる、または一時的に改善したように見えるだけです。そもそもネットで見かける口ゴボの治療方法は、医学的根拠がありません。

口元の突出が進行している場合は、歯列矯正や外科的手術が必要です。自力で無理に治そうとすると、歯並びの悪化や歯の欠損、歯の神経にダメージを与えてしまう可能性があります。

先天的な口ゴボの治し方

先天的要因の口ゴボは、主に骨格が原因になります。顎の骨の一部を切除する必要があることから、外科矯正や美容整形が治療法としては適しています。

外科矯正

外科矯正とは、骨格的な要因が大きいかみ合わせの場合に行う治療法です。外科手術に加えて歯列矯正も行われるケースがほとんどです。

治療の流れは、一般的に歯科医院のもとで術前の矯正治療を行った後に、病院の口腔外科で外科手術を行います。手術後は歯を固定するために、保定期間を設けます。

手術は顎を移動させる必要があるため、全身麻酔下で実施されます。術前の矯正治療は約1〜2年間かかり、1〜2週間ほど入院が必要です。術後も歯並びを整えるために歯科医院に通い続ける必要があり、術後の矯正期間は半年〜1年間です。保定期間は2〜3年間です。

外科矯正は、外科手術を必要とするため、費用が高額になるケースがほとんどです。健康保険の適用範囲で高額療養費制度も利用できますが、すべての外科矯正で利用できるわけではありません。治療を行うのが行政から認可された施設であり、制度を適用できる疾患と診断された場合に限ります。

美容整形

美容整形とは、手術により外見の改善を行う治療のことです。外科矯正との違いは、美容整形は外見のみを重視し、かみ合わせは変えないことです。つまりは外科矯正のように歯列矯正は行いません。

口元の印象を整えるために、歯を削り、被せ物を使用しますが、かみ合わせには手を加えません。歯並びに問題がなく、顔や顎の歪みが気になる場合に美容整形が選ばれます。

歯列矯正がないため、治療期間は短いのがメリットですが、審美性を目的とした治療のため、医療保険は適用されません。美容外科や美容歯科の専門医が治療を行いますが、歯のかみ合わせを目的としないため、治療後に機能面で問題が起こるケースが考えられます。

そのため美容整形を選択する際は、かみ合わせの知識を持った経験豊富な医師を選ぶことが大切です。症状によっては治療費用が高額になることもあります。

後天的な口ゴボの治し方

後天的な口ゴボの治療には、歯列矯正が選ばれることが一般的です。歯列矯正には、表側矯正と裏側矯正、マウスピース矯正の3つがあります。

表側矯正

表側矯正とは、矯正装置を歯の外側に取り付けることで歯を動かす治療法です。対応できる症例数も多く、最も知られている歯列矯正といえるでしょう。

治療には、ブラケットとワイヤーを使用します。ブラケットを一つひとつ歯に接着していき、すべてのブラケットにワイヤーを通します。ワイヤーの引っ張る力により、歯を動かす仕組みです。

表側矯正はワイヤーが目立つため、口を大きく開けにくいことや、痛みや違和感が大きいことがデメリットといえます。食べ物が装置に挟まりやすく、歯ブラシもしにくいため、口内のケアに手間がかかることもあります。

治療期間は2〜3年間、月に1度通院してワイヤーの調整を行います。費用の相場は部分矯正が30〜60万円、全体矯正で60〜100万円です。

裏側矯正

裏側矯正は、表側矯正とは異なり、矯正装置を歯の裏側に取り付けます。口を大きく開けてもワイヤーが目立たず、装置が周りから見えにくいのがメリットです。

裏側矯正は、口内にワイヤーがあたりやすいため、違和感や痛みが表側矯正よりも強く感じられる場合があります。口内の空間が狭くなり、舌の動きや位置も制限されるため、一時的なものですが、滑舌や発音に影響を与えることがあります。

また、裏側矯正はどの歯科医院でも受けられるわけではありません。表側矯正よりも歯を引っ張る力が強く、裏側に装置を装着するため、医師の高い技術力が必要となります。

治療費用は部分矯正が40〜70万円、全体矯正100〜170万円です。治療期間は、奥歯の治療を含む全体矯正で1年半〜3年ほどです。治療の難易度が上がるため、表側矯正よりも治療に時間や費用がかかります。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、マウスピースを使って歯並びを整える治療法です。ワイヤーを使用しないため、矯正中の違和感や痛みが原因で矯正を諦めた方におすすめです。

マウスピース矯正は、理想とする歯に合わせて形の違う複数のマウスピースを作ります。歯の移動が進むにつれて、新しいマウスピースに交換していき、少しずつ歯をずらしながら歯並びを整えていく仕組みです。

マウスピースは透明な素材で作られており、装着時に目立ちにくいため、周囲の人に矯正をしていることが気づかれにくいのが特徴です。通院回数は2〜3か月に1回と少なく、費用もおさえられるのがメリットです。歯科医院により値段は異なりますが、30〜100万円が相場です。

また、従来のワイヤーを取り付ける治療は、24時間装着しなければならず、一度装着したらよほどのことがなければ、外せないのがストレスです。マウスピース矯正であれば、1日20時間以上装着しなければなりませんが、取り外し可能なため、食事や歯磨きを快適に行えます。

しかし、歯並びの乱れが重度の場合や抜歯が必要な場合は、マウスピース矯正では治療できません。マウスピースの管理は患者に任されるので、装着時間が短い場合は治療が進まないケースもあります。

こちらの記事では、マウスピース矯正について解説しています。利点やマウスピース矯正が難しい歯並びも取り上げているため、ぜひあわせてご覧ください。

まとめ

口ゴボを治すことで自信が持てるようになり、心からの笑顔を見せられるようになります。表情も明るくなり、精神的にポジティブになれる状態が多くなります。相手に与える印象が格段によくなるでしょう。

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