マウスピースで歯列矯正するメリットは5つ!矯正が難しい歯並びは? 

マウスピースで歯列矯正するメリットは5つ!矯正が難しい歯並びは?
マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比較して目立ちにくく、矯正器具を取り外せる点が特徴です。この記事では、マウスピース矯正のメリットに加え、マウスピース矯正では対応が難しいケースなどをわかりやすく解説しています。

  • 歯科医院名:緑のテラス歯科クリニック
  • 歯科医師名:院長 丸山啓介先生
  • サイトURL:https://midori-terrace.com/

歯並びに悩んでおり、矯正をしたいと考えているものの、ワイヤー矯正がいいのか、マウスピース矯正がいいのかで決断しきれない人も多いでしょう。簡潔に解説すると、歯並びの問題が小~中程度の場合はマウスピース矯正を、重度の場合はワイヤー矯正を選択するとよいでしょう。

ほかにも、どちらの矯正がよいのかを考える際の判断材料として、両者の違いなども解説しています。自分にふさわしい矯正方法を決めるためにも、ぜひ本記事を参考にしてください。

マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、特別に設計された透明なマウスピース型の装置を使い、歯並びを整える矯正治療法です。マウスピース矯正では、異なる形状のマウスピースを順番に装着することにより、歯を徐々に理想的な位置に移動させていきます。

毎日20時間以上の装着を継続し、数週間ごとに次の段階のマウスピースへと交換していくことで、段階的に歯列を整えていく仕組みです。治療法は30年以上の歴史を持っており、安全性や効果に関する豊富な知見が蓄積されているため、多くの人々に選ばれています。

マウスピース矯正のメリット

マウスピース矯正の主なメリットは、以下の5つです。

装着していても目立たない
食事や歯磨きの際に取り外せる
痛みや違和感が少ない
金属アレルギーでも治療できる
治療中のトラブルが少ない

それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

装着していても目立たない

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正より目立たない特性があるため、多くの人から選ばれています。透明で薄いマウスピースを選べば、身につけていてもほとんど見えないため、社会生活で周囲の目を気にする必要はありません。人前で話す機会の多いビジネスパーソンや、日常的に人と接する必要のある人には最適です。

また、見た目をとくに気にする思春期の若者や大切なイベントを控えた人にとっても、安心して利用できる選択肢といえるでしょう。目立たずに矯正治療を受けたいと考える人にとって、マウスピース矯正は理想的な解決策の一つです。

食事や歯磨きの際に取り外せる

マウスピース矯正は、食事の時間や日々の歯磨きの際に矯正器具を容易に取り外せる点が大きな特徴です。食事の際に粘性が高い食品や、ワイヤー矯正では避けるべきとされるキャラメルやガムなども、装置を外せば制限なく楽しめるようになります。

取り外しが可能な利便性は、矯正が与える日常生活に対するストレスを経験するでしょう。また、歯と装置の清掃がしやすくなるため、虫歯や歯周病の予防にもつながります。そのため、矯正期間中も健康な口内環境を保つことが可能です。

痛みや違和感が少ない

マウスピース矯正は、痛みや違和感が少ない傾向にあります。プラスチック素材から作られたマウスピースは、歯を優しく段階的に動かしていくため、急激な痛みが出にくいためです。治療初期のわずかな違和感も時間が経てば慣れ、矯正中にストレスを感じることはあまりないでしょう。

さらに、万が一の強い痛みがあった場合でも、マウスピースは自分で取り外すことができ、直ちに歯科医師へ相談が可能です。従来のワイヤー矯正と比較して、装置による口内の傷や口内炎のリスクも低く、痛みに敏感な人にも適した矯正方法です。

金属アレルギーでも治療できる

マウスピースは素材がプラスチック製であるため、金属アレルギーの人でも歯の矯正ができるメリットがあります。金属アレルギーを持つ人にとって、従来のワイヤー矯正では避けられない金属によるアレルギー反応のリスクをマウスピース矯正にすることで回避できます。

ワイヤー矯正ではアレルギー反応が出るかもしれないと矯正を諦めていた人でも、歯並びを整えられるのがマウスピース矯正です。

治療中のトラブルが少ない

マウスピース矯正はそのシンプルな仕組みから、治療中に起こるトラブルが格段に少ないというメリットがあります。従来のワイヤー矯正のように装置が外れたり、歯茎や頬の内側にあたって痛みや腫れを引き起こす心配が少ないため、安心して日常生活を送ることができます。

また、食事や歯磨きの際に取り外せるため、食べ物が装置に挟まることもなく、口腔衛生を保ちやすいのも大きな利点です。もしマウスピースに違和感があれば、簡単に自分で調整することができるため、不便さを感じることがほとんどありません。これらの点から、治療中の生活に大きな制限を受けたくない方にとくにおすすめの矯正方法です。

マウスピース矯正のデメリット

マウスピース矯正にはさまざまなメリットがある反面、以下のようなデメリットがあることもあらかじめ理解しておきましょう。

ルールを守らないと歯が動かない
治療費用が高い
医師によって治療の質に差がある
症状によっては適応できないことがある

マウスピース矯正の場合は、自分で矯正を管理しなければならないため、ルールを守ることが非常に重要になります。

ルールを守らないと歯が動かない

マウスピース矯正では、自己管理能力が成功のカギを握ります。治療の成果を最大限に引き出すためには、毎日20~22時間以上の装着が必須となり、約7日ごとのマウスピースの交換が求められます。つまり、食事や歯磨きの際以外は、ほぼ常時装着し続ける必要があります。

このようなルールを守らないと、歯は予定通りに動かず、治療期間が不必要に延びるリスクが生じます。さらに、マウスピースの紛失や破損もトラブルの原因になり得るため、慎重な管理が求められます。

そのため、自己管理に自信のない人にとって、マウスピース矯正はあまり向いている治療法とはいえないでしょう。

治療費用が高い

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べると相対的に費用が低めに設定されている場合が多いものの、依然として高額な治療費が必要となります。治療の全体的な費用は、矯正を行う範囲が部分的か全体的か、そして歯並びの状態が軽度、中等度、重度のどれに該当するかによって変動します。

たとえば、マウスピース矯正の場合、全体矯正では約60万円から100万円、部分矯正の場合は約10万円から40万円が相場です。それに加え、マウスピースの破損や紛失が発生した場合、別途費用がかかることを理解しておきましょう。

医師によって治療の質に差がある

マウスピース矯正は、治療を行う医師の能力や経験によって治療結果に差が生じることがあります。
とくに治療計画の策定にあたっては医師の裁量が影響しやすいため、経験豊かな医師に診てもらうことでより良い治療結果が期待できるでしょう。

したがって、マウスピース矯正を検討する際には、医師の経験や症例数を確認し、信頼できる医師を選択することが重要です。

症状によっては適応できないことがある

マウスピース矯正は、さまざまな症例に対応できますが、すべての症状に適用できるわけではありません。たとえば、骨格に大きなズレがある場合や大幅な歯の移動を要する症例では、マウスピース矯正のみでの治療が難しい場合があります。しかし、治療計画の立案やマウスピース矯正を取り扱うブランドの特性によって、難しい症例にも対応可能なケースもあります。

また、一部の歯科医師は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせることで、より幅広い症例に対応しています。そのため、マウスピース矯正が適用可能かどうかは、カウンセリングや診断を通じて個々の状況に応じて判断するとよいでしょう。

自身の歯並びや咬み合わせの悩みにマウスピース矯正が解決策となるかどうかは、専門の歯科医師と相談することが不可欠です。

マウスピース矯正が難しい歯並びや症状

マウスピース矯正は、すべての症例に対応できるわけではありません。具体的には、以下の症例の場合は、マウスピース矯正だけではうまく治療できない可能性が高いです。

重度の歯周病を患っている場合
あごの骨格に問題がある場合
インプラントが多く入っている場合
抜く必要のある歯が多い場合
歯を大きく動かす必要がある場合
歯ぎしりや食いしばりがある場合

それぞれの症例について、詳しく解説していきます。

重度の歯周病を患っている場合

重度の歯周病を患っている状態では、歯列矯正の実施が難しいケースがあります。歯周病は歯茎と歯を支える骨に影響を及ぼし、深刻な場合には歯を失う原因になります。歯周ポケットに蓄積された細菌は毒素を放出し、骨を溶かしてしまうためです。

このように、歯の支持構造が弱まっている状態で矯正治療を始めると、歯に加わる圧力に耐えらないおそれがあります。最悪の場合、歯が抜け落ちてしまうかもしれません。

ただし、状況によっては適切な歯周病治療を受けたあとに、矯正治療が可能になる場合もあります。そのため、歯周病を患っているものの、マウスピース矯正をしようと考えている人は、まずは歯科医院で適切な診断と治療を受けてみましょう。

あごの骨格に問題がある場合

あごの骨格に関わる問題は、マウスピース矯正の適応範囲を超えることがあります。たとえば、上の歯より下の歯が前に出ている受け口や、上の歯が大きく前に出ている出っ歯などが該当します。

受け口や出っ歯の原因が、単に歯の位置が原因の場合は、マウスピース矯正で改善が見込める可能性もあります。しかし、あごの骨自体の大きさや位置のズレに起因している場合、歯並びを整えるだけでは根本的な解決には至りません。

このような場合、矯正治療だけでなく外科手術をともなう治療が必要となることがあり、治療プランもより複雑になってしまいます。重度の受け口や出っ歯だけでなく、あごの骨格そのものに大きなズレがある場合には、矯正治療とあわせて顎顔面外科での治療が求められることも多いです。

そのため、マウスピース矯正を検討する前に、あごの骨格に問題がないかを専門医による診断を受けることをおすすめします。

インプラントが多く入っている場合

インプラント治療を受けた人が歯列矯正を考慮する場合、特別な注意が必要になります。インプラントとは、失われた歯を補うために骨に直接埋め込む人工歯根です。自然な歯と異なり、周囲の骨と一体化して固定されるため、矯正による移動ができないのが特徴です。

そのため、インプラントが複数ある場合や配置によっては、矯正治療の計画や適用可能な方法に制限が生じることがあります。一般的に、インプラント周辺の自然な歯を動かすことは可能ですが、インプラント自体を動かすことはできません。

矯正治療を検討する際には、すでにインプラントがある人は歯科医師とじっくりと相談し、治療の可否や方法について十分な情報を得ることが不可欠です。また、矯正治療後の咬み合わせ調整のために、インプラントの上部構造の調整が必要になる場合があることも理解しておきましょう。

抜く必要のある歯が多い場合

歯並びの改善や咬み合わせの調整を目指す矯正治療では、場合によっては複数の歯を抜かなければならないケースもあります。歯を抜くことで生じるスペースを利用して、残りの歯を適切な位置に移動させるためです。

このような場合、マウスピース矯正だけでは対応が難しいケースが存在します。とくに多くの歯を抜く必要がある状況では、歯の移動により広範囲にわたる調整が求められるため、ワイヤー矯正との併用やワイヤー矯正のみによる治療へと方向転換することが一般的です。

そのため、矯正治療の計画を立てる際には、歯科医師と綿密に相談し、個々の症例に適した治療法を選択することが重要です。

歯を大きく動かす必要がある場合

適切な歯並びを実現するため、歯を大きく移動させる必要がある場合は、マウスピース矯正だけでは対処が難しいことがあります。このような状況では、適切なスペースを確保するために抜歯が必要になることがあり、とくに奥歯を前方に移動させる際には、手前の歯を抜かなければなりません。

抜歯が必要な箇所や本数、そして歯をどのように移動させるかは、個々の症例に応じて歯科医師が慎重に判断します。そのため、治療を検討している方は、まず歯科医師による詳細な診断を受けましょう。診断に基づき、治療の可否や進め方について専門的なアドバイスを受けることが大切です。

大きな歯の移動をともなう治療では、マウスピース矯正とワイヤー矯正の組み合わせや、ワイヤー矯正のみを使用した治療計画が立案されることもあります。

歯ぎしりや食いしばりがある場合

日常的に食いしばりや歯ぎしりの習慣がある人は、マウスピース矯正において特別な注意が必要です。マウスピースはデザイン上、目立たないように薄く作られており、強い圧力がかかると破損のリスクが高まります。

そのため、歯ぎしりや食いしばりによって、マウスピースを壊してしまうおそれがあるのです。その場合、治療期間が延びてしまったりマウスピースの再購入で追加費用が発生したりしてしまいます。

したがって、歯ぎしりや食いしばりの癖があるなら、治療を始める前に歯科医師に伝え、対策を講じることが重要です。食いしばりや歯ぎしりを自覚的に抑制することは難しいため、場合によってはマウスピース矯正以外の治療法を検討することもひとつの選択肢となるでしょう。

マウスピース矯正とワイヤー矯正の違い

マウスピース矯正とワイヤー矯正には、大まかに以下のような違いがあります。

見た目
虫歯・歯周病のリスク
治療中の痛み
食事・歯磨きのしやすさ
費用
治療期間
通院頻度

目立ちにくさや食事・歯の磨きやすさはイメージしやすいかもしれませんが、利教機関や通院頻度にも違いがあることを知っている人は少ないでしょう。ここからは、上記7つの違いについて、わかりやすく説明していきます。

見た目

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、見た目が大きく異なります。マウスピース矯正では、透明かつ薄い素材で作られたマウスピースが歯にぴったりと密着し、ほとんど目立たないのが特徴です。そのため、社会生活や対人関係において矯正器具が目立つことへの心配が少なくなります。

一方、ワイヤー矯正では、金属のワイヤーやブラケットが歯の表面に取り付けられるため、視覚的に目立つことが避けられません。しかし、近年では目立ちにくい素材を用いた矯正器具や歯の裏側に装置を取り付ける裏側矯正など、見た目を気にする人向けのオプションも増えてきています。

治療方法を選択する際には、見た目の変化が日常生活に与える影響も考慮に入れましょう。

虫歯・歯周病のリスク

矯正治療を受ける際、口腔の衛生状態を維持することは重要です。ワイヤー矯正の場合、ブラケットとワイヤーが固定されているため、食事の際に食べ物が挟まりやすいうえに、歯磨きの際に清掃が難しい場所が生じます。そのため、虫歯や歯周病のリスクを高める可能性があります。

一方で、マウスピース矯正は食事や歯磨きのときに取り外しが可能です。さらに、取り外したマウスピース自体も掃除しやすいため、口腔内を清潔に保ちやすい特徴があります。

いずれの矯正も、適切な口腔の衛生管理を行うことで、矯正治療中の虫歯や歯周病のリスクを抑えることが可能です。したがって、治療方法を選択する際には、日々の口腔ケアのしやすさも検討すべきポイントの一つとなります。

治療中の痛み

矯正治療における痛みの感じ方は人それぞれ異なりますが、マウスピース矯正の方が比較的痛みを少なく感じる傾向があります。マウスピース矯正が弾性のあるプラスチック素材を使用し、穏やかな力で徐々に歯を移動させるためです。しかし、マウスピースの装着感や、歯に取り付けるアタッチメントが粘膜に触れることで違和感や痛みを感じるケースがあることは理解しておきましょう。

一方、ワイヤー矯正では定期的なワイヤー調整によって歯に直接的な力が加わるため、調整後の数日間は比較的強い痛みをともなうことが多いです。とはいえ、多くの人が徐々に痛みに慣れていきます。また、ワイヤー矯正ではブラケットが口内の粘膜や舌を傷つけてしまう痛みの側面も考慮する必要があるでしょう。

食事・歯磨きのしやすさ

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、食事や歯磨きのしやすさが異なります。マウスピース矯正の場合、食事や歯磨きの際に装置を容易に取り外すことが可能です。そのため、食事制限が少なく、日常生活における不便がほとんどありません。

ただし、マウスピースを着用している間の飲み物には注意が必要です。とくに色素の濃い飲み物や熱い飲み物は、マウスピースの変形や着色を引き起こすおそれがあるため、避けた方がよいでしょう。一方、ワイヤー矯正では、器具が常に固定されているため、食事中に装置が取れたり食べ物が引っかかったりするリスクがあります。

また、歯磨きでもワイヤー矯正は、マウスピース矯正に比べて手間がかかります。ワイヤーやブラケットの周りを丁寧に清掃するためには、専用の歯ブラシや歯間ブラシを使うなどの工夫が必要になるためです。矯正治療中は口腔内を清潔に保つことが重要になるため、適切なケアをしやすい矯正方法を選ぶとよいでしょう。

費用

歯科矯正の費用は、選択する矯正方法や治療の範囲によって大きく変わります。マウスピース矯正では、全体矯正の場合はおおよそ60万円から100万円、部分矯正では10万円から40万円が相場です。また、歯の状態によってはマウスピースの破損や紛失があり得るため、その際の追加費用も考慮する必要があります。

一方で、ワイヤー矯正は種類により、全体矯正で60万円から170万円、部分矯正で30万円から70万円となり、とくに裏側矯正や目立たない素材を選ぶと費用はさらに高くなります。

矯正治療は自由診療であり、各クリニックで価格設定が異なるため、事前の確認が重要です。矯正方法を選択する際には費用面も検討し、自分の予算に合った治療計画を立てるようにしましょう。

治療期間

歯科矯正の治療期間は、治療の範囲によって異なります。治療期間の目安は、マウスピース矯正・ワイヤー矯正ともに全体矯正で1~3年、部分矯正で2か月~1年程度です。ワイヤー矯正の場合、表側矯正や部分矯正だと、治療期間が短くなることもあります。

しかし、治療期間には個人差があり、矯正する歯の状態や移動が必要な距離によっても変わります。そのため、正確な治療期間を把握するには、歯科医との相談が必要です。

通院頻度

マウスピース矯正とワイヤー矯正では、通院頻度に違いがあります。マウスピース矯正の場合、自宅でマウスピースの交換を行えるため、ワイヤー矯正に比べて通院の頻度が少なくて済みます。通常、マウスピース矯正では1〜3ヶ月に一度の通院で済むことが多いです。

これに対してワイヤー矯正では、歯の移動具合を確認し、必要に応じてワイヤーの調整を行うため、月に1回程度の通院が必要となります。忙しい人にとっては、通院頻度の少ない治療法を選択するとよいでしょう。

また「マウスピース矯正のTI-A-LINE」のように、一部の矯正治療はオンラインで行えるため、通院が不要なケースもあります。なかなか通院の時間を確保できない場合は、オンラインサービスを利用しましょう。

マウスピース矯正がおすすめの人

マウスピース矯正がとくにおすすめの人は、以下にいずれかに該当する人です。

目立たない矯正がよい人
自己管理に自信がある人
なるべく安く矯正したい人
痛みに弱い人
歯並びに軽度の問題がある人
金属アレルギーのある人

ひとつでも当てはまる場合はマウスピース矯正が向いているといえますので、詳細を理解し、自分に合った矯正方法を考える参考にしてください。

目立たない矯正がよい人

透明で目立たないマウスピース矯正は、見た目に配慮したいビジネスパーソンや社交的な活動が多い人におすすめです。プレゼンテーションや会議で頻繁に話す人や、対人関係が重要な役割を果たす職業に就いている人にとって、矯正装置が目立たないことは利点となります。また、結婚式などの特別なイベントを控えている場合も、自然な外見を保てるマウスピース矯正がよりよいといえるでしょう。

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正のように目立つことがないため、目立たない矯正を望んでいる人にふさわしい矯正方法です。

自己管理に自信がある人

マウスピース矯正は取り外し可能で日常生活の自由度が高い一方、きちんとルールを守って使用できる自己管理能力の高さが求められます。矯正を成功させるには、1日に20時間以上の器具が装着しなければなりません。

また、食事や飲み物を摂る際はマウスピースを取り外し、その都度マウスピースをきちんと洗うなどの継続的なケアが求められます。ほかにも、間食や着色をともなう飲料の摂取時にも注意が必要です。

このようなルールを日々守り、継続できる人は、マウスピース矯正の効果を最大限に引き出せるでしょう。

なるべく安く矯正したい人

歯科矯正にかかるコストを抑えたい人にも、マウスピース矯正がおすすです。一般的に、ワイヤー矯正は全体矯正で60万円から170万円、部分矯正で30万円から70万円程度がかかります。

これに対してマウスピース矯正の場合、全体矯正で60万円から100万円、部分矯正では10万円から40万円と、全体的に見ると価格帯が低めに設定されていることがほとんどです。

そのため、経済的な負担を軽減しながら矯正治療を受けたい人にはマウスピース矯正が適しています。ただし、治療にかかる費用はクリニックによって異なるため、事前にしっかりと相談し、見積もりを取ることが重要です。

痛みに弱い人

マウスピース矯正の場合、治療中の痛みが比較的弱いため、痛みに弱い人でも安心して利用できます。ワイヤー矯正ほど歯にかかる力が強くないため、治療過程で感じる痛みが少なくなり、痛みに敏感な人でも治療を続けやすいのがマウスピース矯正の特徴です。

痛みをできるだけ抑えて歯を矯正したいと考えている場合、マウスピース矯正を選ぶとよいでしょう。

歯並びに軽度の問題がある人

わずかなガタガタや軽い出っ歯、受け口などは、マウスピース矯正で効果的に治療することが可能です。また、重度の不正咬合や広範囲にわたる歯の移動が必要なケースに比べて、治療期間も短く済む傾向があります。

一方、歯並びに重度の問題がある場合は、抜歯がともなう治療が必要になることもあるため、マウスピース矯正よりもワイヤー矯正や裏側矯正がふさわしいことが多いです。自分の歯並びの状態が軽度の不正咬合に該当するかどうかは、歯科医師に診てもらう必要があるため、気になる人は診断を受けましょう。

金属アレルギーのある人

金属アレルギーがある人は、ワイヤーが欠かせないワイヤー矯正は難しいです。しかし、マウスピース矯正なら、歯に取り付けるアタッチメントやマウスピースは金属を含まないプラスチックであるため、金属アレルギーがあっても安心して治療を受けられます。

ただし、安全を最優先するためにも、治療を始める前に医師に金属アレルギーであることを伝え、必要な対策を取ることが重要です。

マウスピース矯正の流れ

実際にマウスピース矯正を開始する場合、以下のような流れで治療を進めていきます。

無料相談申し込み
シミュレーション
矯正契約
矯正開始
保定期間

とくに、保定期間は矯正した歯を固定するために欠かせないため、しっかりと流れを理解しておきましょう。

1.無料相談申し込み

まずは無料相談からマウスピース矯正は始まります。歯並びに対する不安や期待、理想の歯並びについて、歯科医師と話し合いましょう。歯科医師は聞いた情報をもとに、治療の選択肢や必要な費用、見込まれる治療期間について説明します。

相談時、過去の治療歴や抜歯の経験など、治療に影響を与えるかもしれない要素を適切に共有することが重要です。とくに、インプラントが入っている場合は、治療計画に大きな影響を及ぼすため、忘れずに歯科医師に伝えましょう。

2.精密検査

無料相談申し込みで医師から治療の説明、過去の治療歴などのカウンセリングを済ませたら、次は精密検査です。

精密検査ではレントゲン撮影・CT撮影を行います。歯の形状、並び方などの情報収集だけでなく、虫歯や歯周病がないか口腔内を確認し、矯正治療を行えるか確認する場合が多いです。

3.シミュレーション

精密検査の後は、シミュレーションに進みます。現在の歯並びから目指す理想的な状態への変化を、ソフトウェアを用いて可視化します。シミュレーションでは、各段階での歯の移動を多角的に確認できるため、矯正に関する具体的な要望を反映させることも可能です。

従来のワイヤー矯正では見えなかった治療計画が、シミュレーションによって明確になるため、治療のイメージを具体的に把握できるのが特徴です。もちろん、治療期間や費用についても、シミュレーションを通じて詳しく知ることができます。

4.矯正契約

シミュレーションに基づいた治療計画に納得できたら、治療するために矯正契約を結びましょう。治療計画や費用だけでなく、治療に関わる重要な免責事項や責任範囲についてきちんと確認し、問題がなければサインしましょう。万一、治療計画に不安がある場合は、契約前にセカンドオピニオンを求めることも可能です。

治療契約後は、マウスピースの作製に入ります。作製期間はマウスピースの製作地やメーカーによって異なりますが、海外製造の場合は1か月、国内製造の場合は2週間程度が目安です。治療開始のタイミングに影響するため、具体的な期間は事前に確認しておくとよいでしょう。

5.矯正開始

マウスピースが自宅に届いたら、矯正治療が始まります。あらかじめマウスピースの装着方法や、手入れの仕方を学んでおきましょう。

マウスピース矯正は、どれだけ自分をきちんと管理できるかどうかが重要です。治療を成功させるためには、歯科医師の指示にしたがってマウスピースを毎日指定の時間以上、装着することが不可欠です。

また、定期的な通院も欠かせません。通常、1~3か月に一度のペースで診察が必要になりますが、矯正開始後の初期段階ではより頻繁な診察が求められることもあります。

5.保定期間

矯正を続け、シミュレーションどおりの位置に歯が移動したとしても、それで治療が終わったわけではありません。矯正治療で移動した歯は、まだ安定していないためです。そのため、移動した歯を確実に固定し、後戻りを防ぐために重要なのが保定期間の取り組みです。

保定期間には「リテーナー」と呼ばれる器具を使用します。リテーナーには、主に以下のような種類があります。

種類主な特徴
マウスピース型目立ちにくい歯並び保持力が強い噛み合わせの安定には不向き噛み締めや歯ぎしりがある人には不向き
プレート型目立ちにくい患者の歯型に基づいてレジン素材で作成外側をワイヤーが取り巻く人前に出る機会の多い人におすすめ
ワイヤー型固定式で細いワイヤーを歯の裏側に接着直接歯を抑えるため安定性が高い
動きやすい部分を強固に保持できる

リテーナーはマウスピースと同じように1日に20時間以上の装着が求められますが、時間が経つにつれて睡眠時のみで済むケースもあります。保定期間は歯を動かすのに要した期間と同等、またはそれ以上の期間が必要です。通院の頻度は、最初は1か月に一度、状態が安定すれば年に数回の通院で十分になっていきます。

保定期間もルールを守ってリテーナーを装着することが、矯正治療の成功には欠かせません。

マウスピースで歯列矯正ならTI-A-LINEがおすすめです。基本的に都度の型採りが必要なく、お客様の負担を軽減できます。また、世界基準の厳選された素材を使用することにより、安心して使用できます。

まとめ

マウスピース矯正は、目立ちにくく日常生活への影響が少ない矯正方法です。毎日20時間以上の装着が求められる自己管理が欠かせないものの、装着時の痛みや違和感も比較的少ないため、多くの人に適しています。とくに見た目を気にする人、自己管理に自信がある人、金属アレルギーを持つ人におすすめです。

また、治療費用や医師の技量、症状による適応の有無も考慮する必要があります。矯正開始から保定期間まで、年単位で時間がかかるため、矯正治療を検討する際にはさまざま要素を総合的に考えることが重要です。

マウスピース矯正のTI-A-LINEでは、歯並びに悩む患者さまに寄り添ったマウスピース矯正サービスを提供しています。患者さまのことを第一に考え、かかる費用や治療期間を抑えつつ、綺麗な歯並びを実現できるサポートを行っています。無料相談も実施中ですので、まずは歯並びに関する悩みをお聞かせください。